読書メモ

◆99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ
著者:河野英太郎
著者紹介:42歳。デロイトトーマツのシニアマネージャーで大手企業グループの人事制度改革やコミュニケーション改革、人材育成、組織行動改革などを推進している。


本書は下記の章立てで、それぞれの要点を仕事を効率的に進めて、着実に目標達成するためのコツとして、見開き1ページで簡潔にまとめてあります。また本書のあとがきにもあるように、それらのコツを労働人口5000万人が実践しタイトルの通り各人1%生産性を改善すると、50万人の労働力が生まれます。そのためには5000万人全員が本書を読む必要がありますが、まずは自分が読み、本書内のコツを一つ一つ丁寧に実践することで1%生産性を上げようと思います。

本書はコツをまとめたものになっているため、何度も立ち返る必要があると思い、アウトプットの仕方も、自分が押さえておくべきだと判断したものを抽出し箇条書きに少々説明を加える形にしました。
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まえがき
■まじめ・丁寧が成果に悪影響
まじめで丁寧であるが故に、目の前のやり取りに囚われてしまい、最大の結果を出すために必要な行動(会議での発言や質問)をしない。
まじめとみじめは一字の違いで、はき間違えたまじめさはそのひとの誠実な本意に反してみじめな結果をもたらす。

デキる人は、本書に書かれている基本的なことを行っている。

1️⃣報連相のコツ
①聞かれたことに答える
報連相を行い質問が返ってきた際に、結論以外の周辺情報(理由や背景など)から伝えてしまい生産性を下げることは避ける

②早め早めにチェックを受ける
→提出を求められたものの方向性の確認を、80%の時にチェックしてもらうのと、20%の時にチェックしてもらうのとでは生産性に差が生じるため、大枠が決まった時点などで確認を受ける

③「3分ください」を口ぐせにする
→上司に話しかける時に、「今いいですか?」ではなく「1分いいですか?」にすることでお互いに時間的コスト意識を持つことができる

④エレベーターブリーフィングを実践する
→必要な時に必要なこなとをしっかり抑えることが報連相では大事であるため、以下のフローで会話を行う
a.主旨を伝える
b.選択肢を伝える
c.判断のポイントを伝える
d.結論を伝える
e.確認とアクションの確認をする

※元々はアメリカ合衆国の大統領が核戦争などの緊急事態になったときに、エレベーターで地下のシェルターに降りるまでの3分間をいかに使うか、という命題にマッキンゼー社が回答したのが語源のよう。

⑤「とりあえず」ではなく「まず」と言ってみる
→やっつけで仕事をするのではなく、仕事のフローを意識して「まずはこれをやる」と自覚して物事を進めることで生産性向上に繋がる

⑥完成した仕事(コンプリーテッドスタッフワーク)を追求する
→上司に負担をかけずに、自分も仕事を最速で進められる報連相の方法として、次に進められる形にまで整理してから報連相をする。
具体的には「こうしたいと思います。選択肢はA/Bですが、◯◯という理由でAがいいと思います」という具合

2️⃣会議のコツ
①「目的」と「ゴール」を事前に共有する
→ここでは下記のように言葉を切り分け、それぞれの共有を行っておくことで議論の脱線を防ぎ一つの会議で最大の成果を出す。
目的:最終的に実現すること
ゴール:目的が実現できている状態。測る基準

②会議の趣旨を明確にする
→会議の段階を下記の二段階に分け、事前に会議の主旨をはっきりさせておくことで、最大の成果を出す
ブレスト(Brainstorming):アイデアを出す
エバリュエーション(Evaluation):アイデアを整理し最終決定をする

③シナリオを考え時間を区切る
→各議題に割り振る時間を決め、猶予の時間(その他の時間10分など)も設けてタイムマネジメントを行い、生産性の高い議論をする

④ホワイトボードを使う
→議論の空中戦(せっかく意見が出てもそれが全員で共有・整理されていない状態)を避けるために、一つの盤上で議論することで機会損失を防ぐ

⑤会議をコントロールする(これは行うことで生産性向上にどう繋がるのかはっきりは分かりませんでした)
→自分が聞き手側の際に、頷きや相づちを行うなどのフィードバックという技術を取り入れることで、相手は自分を見て話をしてくれるようになり、結果的に会議をコントロールできる

⑥会議後のアクションはその場で決める
→誰が、いつまでに、何をするのかは、その場で確認する必要がある。そのための時間も設けておく必要がある

⑦議事録は当日出す
→会議は、次の行動にいかに繋がったかが重要なため議事録には、行動につながるところだけを残して、その日のうちに必ず出すこと

3️⃣メールのコツ
①件名を工夫する
タイトルだけで実行すべきことが判別できるメールであれば、返信も早くなる。
※これはテレアポ時に資料請求になった際にも【日程調整:ご説明に参ります】というタイトルも有効かもしれない

②結論を最初に書く
メール内トップに「◯◯のお願い。◯◯日まで。」と記載することで、相手のアクションが早い段階で明確になり、結果自分の仕事も早く進み生産性が上がる

4️⃣文書作成のコツ
①「KISS」を心がける
パワポでは「ワンスライド、ワンメッセージ」のルールを設けて、KISSの原則を守ることで相手に伝わる文書にする
※KISS:Keep It Short & Simple

②読み手の目の動きを意識する
→横書きの資料を見るときは、上から下へ、左から右へ視線を動かすため、図の配置を工夫し伝わる文書を作成する

③四角を使い分ける
→図がかもし出す細かい効果を配慮して伝わる文書を作成する
例)
カド丸:漠とした内容、未確定な要素が多い内容を表示するのに適する
四角:確定事項や明確な主張のある内容を表示するのに適する

④色を戦略的に使う
→色にも統一感をもたらし伝わるものに仕上げる
a.寒色と暖色を使い分ける
b.同系色で薄めの色を使う
c.強調したいときだけ別の色を使う

⑤紙資料は保管しない
→データ保管に統一することで、何がどこにあるのかが明確にでき、紙の保存コスト(会社のスペースに対するコスト)も削減できる

5️⃣コミュニケーションのコツ
①名前を覚える
→挨拶や会話の際に相手の名前を呼んでから挨拶をすることで親しみのこもった丁寧な挨拶をする

オフィスでは真ん中を歩く
→これは必ずしも真ん中がベストという訳ではなく、歩く場所によっても対面する人が違い、そこで生まれるコミュニケーションでも生産性に差が生まれる

6️⃣時間のコツ
①優先順位を決める
→あらかじめどの要素に属するものが優先順位の高いものかを自分の中で決めておくことで迷うことがなくなり生産性が上がる

②一つの行動に二つ以上の目的を持たせる
→一つのことに投入している時間や労力を他の目的にも活用されれば、より効率的に仕事ができる。通勤電車内での勉強も当てはまる。

7️⃣チームワークのコツ
①人には「動いていただく」もの
→部下や同期に対しても、何かを依頼するときには「お願いします」と伝える

②相手が大切にしているものを知る
→相手の価値観の理解に努め、それぞれが気持ちよく自身の特性を活かす仕事を割り振り、チーム貢献を促すことで最大の成果を残す

③ポジティブフィードバックには理由を添える
→その人のどんなアクションがチームや個人にとって効果的であったのがを伝えることで両者に好循環が生まれる

④自分のために人を育てる
→これはビスタの「学び教える」にも関係してくる点ですが、育てるために相手に教える必要があり、そのために種々のことを伝えることが必要になる。それによって自分自身の理解が進み、欠けている部分を認識することになり、行動を見直すことができる

8️⃣目標達成のコツ
①今から「でも」はじめる
→目標達成はそれがいつかよりも達成することに意味があり、世の中の基準で今から始めるのには遅すぎると決めつけるのではなく、自分の基準で今からでもはじめる。

②自分の思考のクセを知る
→目標達成に向けて一日の中でできなかったこと、改善すべきことなどを見直し、そうなってしまった原因を自分の思考性の面から見直し、自分の思考のクセから把握し、目標達成に向かう

③簡単なことから習慣化する
→何かを始めるのには時間的コストもかかるため、最初は作業としても時間的コストとしてもできるだけやることを細分化することで、習慣化していく

④メモは行動につながるキーワードのみにする
→メモの意義を目標達成のためのものという視点で捉えると、必要なメモは次のアクションアイテムという形式で羅列するのが効果的である

⑤「他力」を戦略的に活用する
→目標達成に向けて最短距離、最小労力でアプローチする方法を考え、そのために組織の力学や外部の権威・知見を利用し動かせなかったものを動かしていくという「空気投げ」のテクニックを活用する